頭痛の時に昔から行われている方法として、梅干しのタネを頭に貼るというものがあります。
この方法、どうも理にかなった、効果が期待できる方法のようです。
実は、梅干しの成分が頭痛に効くというわけではなく、要するに固い物をこめかみに押し付けることが、効果を引き出しているのです。
偏頭痛は、頭部の動脈が拡張するために現れる頭痛です。
偏頭痛の多くの場合は、頭がい骨の外側、つまり頭皮の中を走る動脈が拡張します。
血管が拡張して血管壁が押し広げられるときに偏頭痛は起こるので、血管を圧迫すれば動脈の拡張が抑えられ、偏頭痛が和らぐというわけです。
梅干しのタネをこめかみに貼ると、こめかみのすぐ下を走っている側頭動脈を圧迫することになって、偏頭痛に効果を発揮するのです。
この側頭動脈は、最も偏頭痛を起こしやすい動脈とされています。
頭がい骨の内側の血管で頭痛が起こる場合には、くびの部分で頸動脈を圧迫するとよいようです。
圧迫により偏頭痛の症状が和らぐのは圧迫中だけですので、昔の人が頭痛の時に梅干しのタネを「貼り付けて」いたのは、理にかなったものだったわけです。